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Steel Division: Normandy 44が面白いから日記書くね

 

最近やりだして楽しいなあとなったゲームの紹介だ!その名もSteel Division: Normandy 44

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WargameやR.U.S.EのEugen Systems開発のRTS。パブリッシャーはParadoxだがそこまでParadox感はないかも。

君のやることはただ一つ、戦場を築け!

RTSと聞いてどういったプレイを思い浮かべるだろうか?建築物と壁を使った築城?隙あらば生産ショートカットを叩いての無駄の無いワーカー生産?限りある資源を生産に振っての初期ラッシュか技術発展かを選ぶ判断?

Steeel Divisionではそれらの要素はオミットされている。プレイヤーがやることはマップに散りばめられた地形を駆使し、あらかじめ組み上げたデッキから自動で補充される徴発ポイントを用いて部隊を展開し、ひたすらに相手側陣地を蹂躙することである。

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戦闘マップ。四角形の戦場がウォーゲーム的と言える。

それならばシンプルすぎてやることが少ないゲームだろうか?もちろんそんな事はない。

まず、戦闘で使うユニットデッキの作成が奥深い。プレイヤーが指揮できる師団は大きく連合国側と枢軸国側で分かれており、連合国は大量の歩兵を展開する質量戦や、充実した航空支援を受けた戦闘がやりやすいようにデザインされている。

一方、枢軸国側(というかドイツしかいないのだが)はTIGER戦車や8.8cm FlaK(そう、少佐も大好きなアハト・アハトだ!)など強力な兵器を扱うことが出来る。8.8cm FlaKは対空砲のカテゴリながら対戦車砲としてぶっ放すことも可能だ。よくわかっている!

これらのユニットはそれぞれの師団で特徴あるデッキプールとなり、思い思いのユニット編成をおこなうことが出来るのだ。

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デッキ編成画面。偵察を厚くするか、戦車の大部隊を展開できるようにするか。戦いはここから始まっている。

部隊の配置は前述の通り、自動で貯まっていくポイントを支払っておこなうのだが、デッキを組んだ時点で各主部隊の最大出撃数も決まっており、徒に消耗させるとポイントはあっても出撃出来ない状況となる。

ゲーム開始時から終了までの全戦力を見通すことができ、それを元に戦術を組むという感覚はRTSでは珍しいように思う。アナログボードゲームのようといったところか。

全ての要素を組み合わせろ!使えるのは手元のカードのみだ!

地上戦での主役として思い描く兵器はなんだろうか。筆者は戦車である。木々を物ともせずかき分ける重厚な転輪、憎き敵国をボロクズのように引き裂く主砲……。

では今作でそのような雄姿を夢見て戦車を突っ込ませると何が起こるか、大量の鉄屑が生産される。

今作ではユニットは8種類に大別されるが、それぞれが得手不得手を持ったユニットとなっている。

歩兵は低コストで出撃ができ、市街地や森などに潜むことが出来るが、トラックで移動をしている瞬間は非常に無防備であるし、装備によっては装甲車両に対して効果的な手段を一切持たない。

戦車は前方装甲が厚く、大抵の機動ユニットを蹴散らすことができるが、視界が悪く、随伴歩兵がいなければケツからランチャーをぶち込まれて瞬く間に炎上する。

戦車砲は機動力が劣悪であるが、視界が取れる適所に配置できれば強力な火砲で何台もの装甲車両をスクラップにできる……といった具合だ。

もちろん、出撃させることが出来るのは事前にデッキへ組み込んだユニットに限られるため、それぞれの出し頃を考えることが重要である。

内政や生産要素が無く、展開できる全戦力が開始時から決まっているからこそ、全ての部隊を効果的に働かすことが出来る部隊構築や、陣地配置の必要があるのだ。

前線を押し合え!戦況は常に変化する!

戦いの目的はざっくり言ってしまえば陣取りである。お互いに部隊を展開し合い、撤退と進撃を繰り返して前線を押し上げていく。

前線はビジュアル的に非常にわかりやすく表現されており、どこへ戦力を差し向ければ良いかが一目瞭然となる。

これによって、戦場を探し回る索敵では無く、戦うための索敵からスタートするためプレイ中にダレずに戦闘に没頭できる。

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赤と青の線がお互いの前線である。間隙を抜かれるようなことがあれば即座にマップに反映され、激戦が展開される。

マルチCOOPがアツい!互いに協力して勝利を目指せ!

このゲームはキャンペーンシナリオがあり、スカーミッシュでAIとの対戦もできるためソロプレイでも十分楽しめるが、敵AIを交えての4対4などのマルチプレイでの協力戦が非常に面白い。

デッキを組むにあたって各々師団を選択するのだが、師団には戦車師団や空挺師団などそれぞれ特色があり、デッキに組み込めるユニットも師団によって制限される。

すなわち、それぞれのデッキに得意な場面、苦手な場面が生まれるのである。

強力無比な戦車隊を繰り出すことが出来るが、航空支援が貧弱で火砲に陣取られると身動きができない状況や、砲撃や空爆で相手を弱らせることは出来るものの、機動戦力に欠けるため決定打を繰り出せない状況。

そういったときに、お互いの師団で弱点を補い合って敵AIと戦う体験は非常にエキサイティングであり、時間を忘れて盤面の攻略へ没頭する体験が出来る。

発売して時間が経っているゲームであり、マルチプレイロビーが盛況であるとは言いづらいが、ゲーム仲間に紹介してでも楽しんで貰いたい部分である。

このゲームだからこその楽しみを持つゲーム!RTSというジャンルだけを見るのは勿体ない!

内政面を削り、戦術面に集中するゲームシステムや、事前に出撃可能ユニットを決定するデッキシステムなど、RTSゲームとしては異色な部分も多い作品である。

しかし、それらの選択的集中が忙しなさが抑えられたゲームスピードや、わかりやすい盤面理解などに与していて、このゲームだからこその面白さを作っている。

RTSというジャンルに興味はあるけれど操作の多さや並行する要素を把握しきれなくて…といった人にはもちろん。バリバリのRTSプレイヤーでも、こういった戦術面の楽しみがあるのかという発見があるため是非とも触って貰いたい。

部隊構築の楽しみなどから第二次世界大戦というテーマが好きなゲーマーにも、もちろんオススメだ。